飲酒と執筆

あまりに執筆捗らないのでメモを残してみる

ご恵与感謝

室生団体研究グループ・八尾昭「室生火砕流堆積物の給源火山」地球科学, 62, 97-108.

 別刷をいただきました.読んでメモ.結構大規模な火砕流堆積物でありながら、給源不明であって、いろんな人(儂を含む)が外帯起源であることを言っている訳だが、紀伊半島外帯といっても広うござんす、ということで大台コールドロンが給源であると主張する。化学組成としては、過去の全岩データのにくわえてfiammeの分析値が示され、紀伊半島の他の中新世火成岩との類似・非類似が述べられているが...大事なところは、基底相にある異質岩片には定置位置付近にある花こう岩は少なくチャート、砂岩などが多く、そこからはジュラ〜ペルム紀の放散虫が出る。年代からは美濃・丹波秩父帯由来であろうと推定されるが、外帯起源説からすると、秩父帯分布域に噴出源があって火道でチャート等を引っかけてきたと見るのが妥当かと。秩父帯を抜いて、それらしい給源火道(中奥火砕岩岩脈)のある大台コールドロンが給源としてもっとも妥当だろう結論付けられている。全岩をやる人間からは、デイサイト質のfiammeの起源を考えないといけないところであるが、中奥あたりの岩脈岩をもう少し注意して見る必要がある。