飲酒と執筆

あまりに執筆捗らないのでメモを残してみる

特に結論無し

おすもうさん

おすもうさん

楽しく読みました.現在の相撲界への取材と,昔の資料の読解を行ったり来たりしつつの15章です.全般的には,相撲界の「なすがまま」の歩みが明らかにされている.そもそも「国技」であることには,特に根拠無く,明治42年に両国に相撲常設館が建設された折に,完成案内状に「角力は日本の国技」と書いてあったので「国技館」という名前になり,それゆえ「国技」になった,という脱力系の経緯が述べられている.その他現代のこと昔のこと様々述べられるエピソードはすべからく「呑気」なものであり,昨今の目を吊り上げての角界批判が如何に的外れなものであるかと言うことがよくわかります.ええやん,適当で.
 十二章の行司の職責なども興味深い.場内放送も行司がやっているそうな.その他いろんな総務系の仕事(移動の際の切符の手配やらなんやらかんやら)も行司がやっていると言うのも驚き.偉い行司が式守伊之助木村庄之助というのは何となく知っていましたが,現在木村家と式守家があるけれど,行司の序列が上がって行くと,木村家の人が式守伊之助になったり,式守伊之助木村庄之助になったりするそうな(立行司のうち式守伊之助がNo.2,木村庄之助がNo.1の名前で,これらは,相撲協会が持つものなのでそうなるとのこと).なんちゅうええ加減さか.普通の伝統芸能系ではあまりありそうに無さそうなことでおます.終章で触れられる,呼び出しの仕事はもっと訳判りません.
筆者が「なぜ?」と言う問いを投げ掛けるのをいやがられる(「なぜ」などと考えたことがない.前からそうなってるから,そう)あたりも笑えます.
ほんまに,ええやん,適当で.